New Calendar
「開幕は春、優勝が決まるのは寒い12月」。30年あまり続いたJリーグの1年が、2026年の夏を境に終わった。これからのシーズンは8月に始まり、翌年の初夏に幕を下ろす。いわゆる秋春制である。
制度の話と言ってしまえば無味乾燥だが、カレンダーが変わるということは、我々の記憶の形が変わるということだ。優勝の瞬間の空の色も、開幕の日に着るものも、これからは全部違う。秋春制元年に何が変わったのか、1年の流れに沿って整理しておきたい。
新しい1年は、こう流れる
2026-27シーズンは8月7日、横浜F・マリノス対鹿島アントラーズの一戦で開幕する。真夏の夜のキックオフだ。9月から11月は気候のいい観戦のベストシーズン。そして12月19日の第20節を最後に、リーグはウィンターブレークと呼ばれる約2ヶ月の中断に入る。年が明けて2月13日・14日の第21節で再開すると、そこからは優勝と昇降格をめぐる長い坂道で、最終節は2027年6月6日。気候のいちばんいい季節に、シーズンの結末がやってくる。
Season 2026-27
開幕 2026年8月7日(金) 横浜FM vs 鹿島(国立競技場)
中断 ウィンターブレーク 第20節 12月19日(土)〜 第21節 2027年2月13日(土)・14日(日)
閉幕 第38節 2027年6月6日(日) 一斉開催(全38節)
※各節の正確な日程は公式の発表を確認してほしい。
なぜ変えたのか — 理由は海の向こうにある
移行の理由は大きく2つ。ひとつはアジアの大会(ACL)が先に秋春制へ移っており、日本だけ時期がズレていたこと。もうひとつは移籍市場だ。世界の移籍がもっとも動くのは夏で、その規模は冬の約5倍とされる。春秋制の日本はシーズン真っ只中にこの荒波を受けてきたが、夏開幕ならシーズンの切れ目と市場のピークが重なる。日本の選手が海外へ出るのも、海外から選手を迎えるのも、世界と同じリズムでできるようになる。
もちろん、課題がないわけではない。真夏の開幕は暑い。雪国のクラブには冬の練習環境という切実な問題があり、リーグはキャンプ費用の支援やエアドームの整備といった対策を掲げている。10年以上議論されて決まらなかったテーマが、それでも動いたのは、世界とのズレのコストがもう無視できなくなったからだろう。
観る側の1年も、書き換わる
観戦者にとっての最大の変化は、実は「真冬に観なくてよくなった」ことかもしれない。12月の夜、かじかむ手でホットドリンクを握りしめる観戦は、それはそれで愛おしい記憶だが、もう過去のものになる。代わりに手に入れたのは、気候のいい初夏のクライマックスだ。優勝争いも残留争いも、Tシャツで見届けられる。
そして夏の開幕。暑さ対策は必須になるが、金曜の夜、仕事帰りにスタジアムへ向かい、そのまま週末に流れ込む——そんな夏の夜の使い方は、秋春制がくれた新しい楽しみだと思う。
個人的な話をすれば、春秋制の最後の記憶は、やはり12月の優勝争いだ。寒空の下で最終節までもつれる決着には、冷え込むほどにスタンドの熱が上がっていくようなところがあった。マリノスが15年ぶりに戴冠した2019年、日産スタジアムでの最終節をあの場所で見届けられたことは、今も忘れられない。冬の夜、震えながら待った優勝セレモニーまで含めて、何もかもが最高だった。
秋春制になれば、あの震えるような決着は初夏の陽気に置き換わる。それはそれで待ち遠しい。ただ、寒さの中でこそ燃え上がる12月の優勝が特別だったことも、ここに書き残しておきたいと思う。
制度は変わっても、スタジアムで起きることは変わらない。ボールが転がり、誰かが叫び、季節が過ぎていく。その季節の並び順が変わっただけだ。新しいカレンダーの最初のページは8月7日。開幕戦のプレビューと、どう観るかの整理も書いたので、あわせて読んでもらえたら嬉しい。
▶ 新しいカレンダーを使いこなす
中断と再開の日程 2026-27シーズンの日程とウィンターブレイク
今週末の試合 今節の見どころと放送・配信一覧(毎節更新)
9〜11月の遠征 アウェイ遠征の始め方
最終更新日: 2026年7月27日

