Interregnum
2026年の上半期、Jリーグには少し奇妙な大会が存在した。名前を「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」という。春秋制から秋春制へ橋を架けるためだけに用意された、2月から6月までの半年間の公式戦。二度と開催されないことが最初から決まっている大会である。
順位は付くが、昇格も降格もない。J1は20クラブが2つの地域グループに分かれて総当たりを戦い、最後は各グループの同順位同士がぶつかるプレーオフで決着をつけた。通常のリーグ戦なら1年かけて描く物語を、半年に凝縮した変則の設計。真剣勝負であって、しかし歴史の本流からは半歩外れた場所にある。そんな宙吊りの半年だった。
神戸が獲った「一度きりのタイトル」
その一度きりの大会を制したのはヴィッセル神戸だった。優勝賞品は名誉だけではない。アジアの舞台、ACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)への出場権が懸かっていた。昇降格がないとはいえ、懸かっているものは十分に重かったのである。
「移行期の特別大会の優勝」は、リーグ優勝の記録とは別の欄に記されることになるだろう。だが、二度と誰にも獲れないタイトルだと考えれば、これはこれで唯一無二の勲章だ。10年後、「百年構想リーグの王者は?」というクイズに即答できる人は、たぶんかなりのJリーグ好きである。
100 Year Vision League
期間 2026年2月6日〜6月(移行期の特別大会・全60クラブ参加)
方式 J1は地域2グループの総当たり+同順位プレーオフ
結果 J1はヴィッセル神戸が優勝、ACLE出場権を獲得
備考 2026-27シーズンの昇降格には影響しない(昇降格は2025シーズンの結果を反映)
宙吊りの半年が残したもの
この大会の結果は、8月に始まる2026-27シーズンの順位表には1ポイントも持ち越されない。全クラブが白紙で新時代に入る。それでも、移行期に見えたものはある。短期決戦で勢いに乗ったクラブ、新しい戦い方を試したクラブ、世代交代を進めたクラブ。半年間の「助走」の使い方は、それぞれに違った。その助走をどう使ったつもりなのかは、夏の移籍市場での動き方にもはっきり表れる。
橋は渡り終えた。あとは新しい岸を歩くだけだ。宙吊りの半年に何があったかを覚えている人が多いほど、この移行は豊かな歴史になる。新シーズンが何をどう変えたかは秋春制元年の整理に、最初の一戦の話は開幕戦プレビューに書いた。
▶ 新しい岸を歩く
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最終更新日: 2026年7月27日

